こんにちは。
此度ブログを担当します、塩釜院の菅原太朗です。
僕は皆さんに、
「よくあるケガ」の「症状」と「治療」について、簡単にお話ししようと思います。
「なんで痛いのかなぁ。」と思っている方に、「なるほどなぁ!」と思って頂けたら幸いです。
今回は、「足首の捻挫」についてお話しします。
タイトルは、「捻挫は、おっかない!」です。
詳細は後述。
さて、皆さんは、捻挫したことはありますでしょうか?
あの、グキッとやるやつです。
転んだり、つまづいたり、人の足や段差をふんづけてしまったりして、グキッとなって、イタタタとなる、あれです。
人の足部、足首は、運動時の可動性を大きく確保するため、ゆるい作りをしています。
一方、「土台」となり人の身体をささえるべく、いくつもの骨からなる複雑で強固な機構を有しております。
以上の事から、足首は痛めやすく、放っておいては治らない関節になっています。
はい。
はやくも「おっかない!」ですね。
捻挫の痛みは、ざっくりと、2つの時期に分けることが出来ます。
① 「ケガした直後」 (何してても痛い!)
② 「ケガした直後」の後 (動かすと痛い!)
この2つの時期の、症状と治療をお話しします。
【症状】
①は、炎症期といい、自然治癒力で自分の傷を治している時期です。
患部には腫れがあり、熱があります。
「今動かしちゃダメ!」
ってな感じで、足首はあなたにズキズキをおくりつづけ、じっとしているようにとお願いしています。
重症度にもよりますが、この状態は3~5日くらい続きます。
②は、捻挫による組織の損傷の修復は終わったものの、関節にズレが生じているため運動機能が低下し、運動時痛がある時期です。
カッコよく言うと、「運動時、足部のアライメント不良により、位置覚の受容器が痛み信号を発信している状態」となります。
症状の具体例をあげると、
座っていると何ともないけど、足をつくと痛む。
足をつくのは何ともないけど、歩くと痛む。
歩くのは何ともないけど、走ると痛む。
とか、
グラグラして不安感がある。
とかとか、
試合の途中でだんだん痛くなる。
仕事終わりに腫れてくる。
などなど。
兎にも角にも②の症状はやっかいであり、②の症状をほおっておくと更にやっかいなことになりかねません。
そして、これは僕の個人的な見解ではありますが、②の症状に対してアプローチをしている医療機関はなかなかないのではないかなぁと感じています。
(当院推し)
【治療】
①初期処置
受傷直後は、画像診断により損傷部位を特定し、然るべき医療機器にて炎症症状をおさえます。
包帯で圧迫、固定する事で、痛みを抑え、自然治癒力が十分に発揮される環境を整えます。
熱と腫れの強いこの時期は、毎日この処置をします。
初期処置を早期に的確にすることで、捻挫の直りのスピードは全く違ってきます。
更に②の症状も大きく抑える事ができます。
②リハビリ
ズレてしまった関節をもとに戻すアプローチをした後、運動機能を修復するトレーニングを行います。
骨の模型などで骨構造をみていただくとよくわかりますが、捻挫をすると足部の関節はがっつりズレてしまいます。
これをもとの位置にもどし、痛めた筋肉などの運動機能を高める必要があります。
②の治療をおろそかにしてしまうと、前述したような、
歩くと痛い。
不安感、違和感がある。
仕事してると腫れてくる。
などの症状が残ってしまいます。
ですので、
「痛くなくなったからまぁいいや」
と、捻挫を放っておかないでほしいと、僕は切に思います。
そして、「捻挫は、おっかない!」は、ここから。。。。
この捻挫による足首のズレをそのままにしておくと、一か月後、一年後、十年後、膝が痛くなったり、腰が痛くなったり、首が痛くなったりするケースがあります。
何故なら、足首がずれた状態で生活をするということは、「土台」が不安定な場所で生活していることと一緒だからです。
実際、そのズレのせいで他の場所が痛くなり来院している患者さんは珍しくありません。
なんと「おっかない!」ことでしょうか!!
巷では、
「転んじゃって足首捻って骨が折れたかと思ったら、捻挫だったー。」
「骨折じゃなくてよかったねー!!」
なんて会話を耳にしますが、そういう時僕は、
「捻挫なめんなよぉぉ!!」
と思っております。
極端なたとえをすれば、足首がズレたまま生活をするということは、右足にスニーカー、左足にハイヒールをはいて生活しているようなものです。
もしあなたが誰かに、
「昨日、右足にスニーカーはいて左足ハイヒールでお出かけしたら膝とか腰とか全身痛くなっちゃった!!」
と言われたら、
「そりゃそうでしょ!なにしてるのさ!!オシャレのつもりかよ!!」
と、きっとそう思われると思います。
「捻挫ほおっておいたらだんだん膝とか腰とか全身痛くなってきました。」
そういう患者さんと相対する度、僕は、
「捻挫の理解と治療の重要性をもっと世の中にひろめ、世界を救わねば!!」
と、こう思うわけです。
さて、冒頭では、「よくあるケガを簡単にお話しする」などといっておきながら、難解な医療用語を多用し、とんでもない長い文章になってしまったことをお詫びいたします。
「捻挫は、おっかない!!」
伝わりましたでしょうか??
なにかわからないことがあれば、いつでも当院のスタッフにお尋ねください。
ご清覧ありがとうございました。